クサガメの特徴

  • 丈夫で何でもよく食べ、水棲ガメ飼育の入門種として定番の存在。
  • 人によく慣れ、飼い主が近づくと餌をねだる姿を見せることもある。
  • アカミミガメ(ミドリガメ)規制後、国産で入手しやすい代替種として注目されている。
  • 甲羅に3本のキール(筋)が走り、成長に伴い体色が黒ずむのが特徴。
  • 昼行性で、陸場に上がって日光浴(バスキング)する行動を観察しやすい。
  • 20〜30年と長寿で、飼えば人生の長い時間を共にする相棒になる。
  • 水質・水温の適応幅が広く、多少の管理ミスにも強いタフさがある。
  • オスは成長すると全身が黒くなる『黒化(メラニズム)』が起こることがある。

性格:温和で丈夫。臆病な一面もあるが、飼い込むとよく慣れ、飼い主が近づくと餌をねだったり手から食べたりすることもある。

クサガメの基本情報・スペック

体長
オス甲長15〜20cm/メス甲長20〜30cm
体重
オス約200〜400g/メス約500g〜1.5kg(甲長により変動)
寿命
20〜30年(長い個体では40年近く)
食性
雑食(動物食傾向の強い雑食で、成長に伴い植物質もよく食べる)
活動時間
昼行性
原産地
中国・朝鮮半島・台湾・日本(日本の個体群は江戸時代以降の移入とする説が有力)
生息環境
流れの緩やかな河川・池・沼・湖・水田など、止水〜緩流域の水辺
繁殖様式
産卵期は6〜7月。水辺の陸地に穴を掘り、一度に3〜15個ほど産卵する。飼育下での繁殖には温度と産卵床の管理が必要。

クサガメの飼育環境・ケージの選び方

  • 必要スペース水槽+ろ過+ライト一式を置ける専用スペースが必要。成体は大型化するため、設置場所を先に確保しておく。
  • お世話時間給餌と水換え・掃除で1日15〜30分程度。
  • ケージ幼体は45〜60cm水槽、成体はメスで90〜120cm水槽が目安(甲長の4〜5倍程度の広さ)。
  • 温度水温は20〜28℃(適温25〜28℃)、陸場(バスキングスポット)の表面は28〜32℃を目安に。
  • 湿度半水棲のため水場で湿度を確保。数値管理は不要だが、陸場に上がって甲羅を乾かせる環境を必ず用意する。
  • 照明爬虫類用UVB紫外線ライト(5.0前後)とバスキング用スポットライトを併用。屋外飼育なら日光で代替できる。
  • 床材掃除しやすいベアタンク(底床なし)が基本。敷く場合は誤飲しない大きめの石や大磯砂を用いる。
  • カメ用配合ペレットを主食に、乾燥エビ・小魚・レバーなどの動物質と、水草・野菜などの植物質を補助的に与える。
  • 給餌頻度幼体は1日1〜2回、成体は2〜3日に1回(または1日1回、5分ほどで食べきる量)。
  • 飲み水カルキを抜いた水を使用。水深は甲長〜甲長の1.5倍程度で足がつく場所を設け、フィルターでろ過しつつこまめに水換えする。

クサガメを飼う前に知っておきたいこと

💡 飼育のポイント

クサガメは丈夫で餌付きやすく、初めての水棲ガメに向いた種です。まずは『水場+陸場+ろ過フィルター+バスキングライト+UVBライト+水中ヒーター』の一式をそろえ、水温20〜28℃・陸場28〜32℃を保てる環境を用意しましょう。水を汚しやすいのでこまめな水換えが必須です。そして何より、20〜30年という長い寿命を最後まで見守る覚悟を持つこと、絶対に川や池へ逃がさないことが大切です。

✨ 重要チェックポイント

  • 20〜30年生きるため終生飼育の覚悟を持ち、最後まで責任を持って飼う
  • 絶対に川や池へ逃がさない(在来ニホンイシガメとの交雑など遺伝的攪乱・生態系被害の原因になる)
  • アカミミガメ(ミドリガメ)は条件付特定外来生物で放出・遺棄が禁止。代替としてクサガメを選ぶ場合も飼育放棄は絶対にしない

クサガメの健康管理・病気の予防

主な病気と予防法

代謝性骨疾患(くる病・甲羅の軟化)
UVB紫外線やカルシウムの不足で骨や甲羅が正常に育たず、甲羅が柔らかくなったり変形したりする。UVBライトとカルシウム給餌の見直しが必要。
腐甲病(甲羅の細菌・真菌感染)
水質悪化や外傷から甲羅に細菌・真菌が感染し、甲羅がただれて悪臭を放つ。水換えの徹底と早めの動物病院での治療が重要。
結膜炎・ビタミンA欠乏症
水質悪化やビタミンA不足で目が腫れ、開かなくなることがある。水を清潔に保ち、栄養バランスのとれた餌を与えて予防する。
呼吸器感染症(肺炎)
低水温や汚れた水が続くと呼吸器に感染し、口を開けた呼吸や鼻水、水面で傾く様子が見られる。保温を見直し、速やかに受診する。

🏥 動物病院へ行くべき症状

目が腫れて開かない
甲羅が柔らかい・変形している
餌を数日以上食べない
口を開けて呼吸する・鼻水が出る
甲羅に赤みや悪臭を伴うただれがある
首や手足が腫れている

クサガメのトラブルと対処法

⚠️ 水がすぐ汚れて臭う
カメは水を汚しやすく、餌の食べ残しやフンで水質が急速に悪化する。ろ過フィルターの設置と、こまめな水換えで対応する。
⚠️ 冬に動かなくなる・餌を食べない
水温が下がると活性が落ち、11月〜3月頃は冬眠に入ろうとする。冬眠は失敗のリスクが高いため、飼育下ではヒーターとライトで加温飼育するのが安全。
⚠️ 大きくなりすぎて水槽が手狭になる
特にメスは甲長25〜30cmまで成長し、幼体用の小さな水槽では手狭になる。成体には90〜120cm水槽が必要になることを前提に飼い始める。

クサガメのよくある質問(FAQ)

  • Q. ゼニガメとクサガメは同じ生き物ですか? ゼニガメはクサガメ(やニホンイシガメ)の幼体を指す通称で、成長するとクサガメと呼ばれる個体が多くなります。販売時の呼び名の違いと考えてよいでしょう。
  • Q. 冬は冬眠させたほうがいいですか? 冬眠は体力の消耗や失敗のリスクがあるため、飼育下では無理に冬眠させず、ヒーターとライトで加温して管理するのが安全です。
  • Q. 1匹で飼えますか?複数飼育はできますか? 基本的に1匹で問題なく飼育できます。複数飼育は体格差や餌の取り合いで弱い個体が痩せることがあるため、様子を見ながら十分な広さを確保してください。
  • Q. どのくらいの大きさになりますか? メスで甲長25〜30cm、オスで15〜20cmほどになります。最終的には90cm以上の水槽が必要になる点を見込んでおきましょう。
  • Q. 手に乗せて触れ合えますか? 慣れれば手から餌を食べるようになりますが、過度なハンドリングはストレスになります。触れ合いは短時間にとどめ、鑑賞を中心に楽しむのがおすすめです。

クサガメの飼育でよく挙がるポイント

飼育者からよく挙がる声や専門店の情報をもとに、編集部がポイントをまとめました。

1
レプ好きさん
近所のお店でゼニガメとして迎えました。想像以上に丈夫で、餌もよく食べてくれます。毎朝バスキングライトの下でのんびり甲羅を干している姿に癒されています。
2
水辺の住人さん
飼い始めて数年、私が水槽に近づくと餌をねだって前足をバタつかせるようになりました。地味と言われがちですが、慣れてくると本当に表情豊かで愛嬌があります。
3
亀吉パパさん
最初は60cm水槽で足りると思っていましたが、メスだったこともありぐんぐん成長。今は90cm水槽に引っ越しました。大きくなる前提で環境を用意するのが大切だと実感しています。