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CITES COP20の結果まとめ — 爬虫類飼育者が知っておくべき規制変更

2025年11月24日〜12月5日、ウズベキスタン・サマルカンドでCITES(ワシントン条約)第20回締約国会議(COP20)が開催されました。世界各国から4,638名の代表団が参加し、野生動植物の国際取引に関する重要な決定が行われています。

爬虫類を飼育している方、これから迎えようとしている方にとって、CITESの動向は直接的に「どの種が買えるのか」「価格がどう変わるのか」に関わります。この記事では、COP20の結果から爬虫類飼育者が押さえておくべきポイントを整理します。

CITESとは — 3分でわかる基本

CITES(Convention on International Trade in Endangered Species)は、絶滅のおそれがある野生動植物の国際取引を規制する条約です。1975年に発効し、日本は1980年に批准しています。

規制の強さは附属書(Appendix)のランクで決まります:

  • 附属書I:商業目的の国際取引は原則禁止。最も厳しい規制
  • 附属書II:取引には輸出国の許可が必要。持続可能な範囲で取引可能
  • 附属書III:特定の国が自国の種を保護するために国際協力を求めるもの

約2年半に1度開催される締約国会議(COP)で、附属書への追加・変更が審議されます。

COP20の全体概要

今回のCOP20では、50件の掲載提案が審議され、結果として82種が新たに附属書に追加されました。全体で353の決定が採択されています。

海洋種(サメ・エイ)の保護強化が大きな話題となりましたが、爬虫類に関しても複数の重要な決定がありました。

爬虫類に関する主な決定

ガラパゴスイグアナ — 附属書Iへ格上げ

ガラパゴス諸島固有のウミイグアナおよびリクイグアナが附属書IIから附属書Iに格上げされました。これにより、商業目的の国際取引が原則禁止となります。

日本のペット市場への直接的な影響は限定的ですが、「固有種の保護を最優先する」という国際的なメッセージとして重要です。

ゲッコー類 — 複数種が附属書IIに新規掲載

ペット取引で需要が高まっているゲッコー(ヤモリ)の複数種が新たに附属書IIに掲載されました。これにより、今後は輸出国の許可なく国際取引ができなくなります。

日本はゲッコー類の主要な輸入国であり、今後の流通量や価格に影響が出る可能性があります。特にワイルド個体の入荷が減少し、国内CB個体の価値が相対的に上がることが予想されます。

その他の注目種

  • ナマケモノ — フタユビナマケモノが附属書IIに掲載(ペット取引の規制強化)
  • オカピ — 附属書Iに掲載
  • 各種サメ・エイ — 50種以上が新規掲載(今回最大のトピック)

日本への影響 — 世界第2位の爬虫類輸入国として

WWFジャパンはCOP20に先立ち、日本で流通している9種の爬虫類に関する取引調査レポートを公表しました。この報告では、一部の種について合法性や持続可能性に疑問が残る取引が確認されています。

日本は爬虫類生体の世界第2位の輸入大国です。今回のCOP20の決定を受け、今後は以下の変化が予想されます:

  • 輸入手続きの厳格化 — 附属書II掲載種の輸入には、より厳密な書類審査が求められる
  • ワイルド個体の流通減少 — 新規掲載種のWC個体は今後入手困難に
  • 国内CB個体の価値上昇 — 規制強化に伴い、安定供給できるCB個体の需要が増加
  • 価格の上昇傾向 — 特に新規掲載されたゲッコー類で顕著になる可能性

トレーサビリティの強化

COP20では、取引される動物のトレーサビリティ(追跡可能性)の強化も大きなテーマでした。CB個体であることの証明、繁殖記録の管理、販売履歴の透明化が今後より一層求められるようになります。

これは信頼できるブリーダーやショップにとってはプラスの動きです。「どこで生まれた個体なのか」が明確であることが、今後の爬虫類取引のスタンダードになっていくでしょう。

飼育者として知っておくべきこと

  • 購入時は出所を確認する — CB個体であること、繁殖者の情報が明確であることを確認しましょう
  • 附属書I掲載種の売買には登録が必要 — 「種の保存法」に基づく手続きを忘れずに
  • 「安い=怪しい」可能性 — 相場より極端に安い個体は、出所に問題がある可能性を疑いましょう
  • 国内ブリーダーを応援する — CB個体を購入することが、持続可能な爬虫類飼育文化を支えます

【2026年3月追記】附属書改正が発効 — 実際に何が変わった?

COP20で決定された附属書の改正は、2026年3月5日に正式発効しました。決定から約3ヶ月、日本のペット市場にはすでに変化が見え始めています。

ゲッコー類の流通量が減少傾向に

附属書IIに新規掲載されたゲッコー類について、輸出国での許可手続きが本格化したことで、ワイルド個体の入荷ペースが明らかに鈍化しています。ショップからは「以前のように安定して仕入れられなくなった」という声が聞かれます。一方で、国内ブリーダーのCB個体への問い合わせは増加傾向です。

価格への影響

発効直後の段階では劇的な価格変動は起きていませんが、一部のゲッコー種ではすでに10〜20%の値上がりが確認されています。今後、ワイルド個体の在庫が減るにつれ、さらなる価格上昇が見込まれます。

トレーサビリティの実務対応

COP20で強化が決まったトレーサビリティについて、国内の主要ショップでは繁殖証明や入荷ルートの明示を始めるところが増えています。イベント出展者にも同様の動きが広がりつつあり、「出所が明確な個体」が業界のスタンダードになりつつあります。

れぷサーチとしては、こうした変化をポジティブに捉えています。規制が厳しくなることは一時的には不便に感じるかもしれませんが、長期的には持続可能な爬虫類飼育文化の土台になるものです。

次回COP21に向けて

次回のCITES COP21は2028年に開催予定です。COP20で採択された353の決定の実施状況が評価されるほか、新たな掲載提案が審議されます。

今後もCITESの動向には注目が必要です。れぷサーチでは、爬虫類飼育に関わる法規制の情報を引き続きお届けします。

CITESの規制は「飼えなくなる」ための制度ではなく、「持続可能に飼い続けられる」ための制度です。正しい知識を持って、責任ある飼育を実践しましょう。

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