マタマタの飼い方 — 「水中の落ち葉」を飼う水槽・水深・餌の基本
マタマタはどんなカメ?
マタマタは南米のアマゾン川流域に暮らす水棲のカメです。ゴツゴツした甲羅と、枯れ葉のようにヒラヒラした皮膚。水底でじっとしていると、本物の落ち葉にしか見えません。この見事な擬態こそ最大の魅力です。
泳ぎは得意ではなく、水底を歩くようにゆっくり移動します。飼育環境も、その独特な生態に合わせて整えてあげることが大切です。
水槽のサイズと水深
マタマタは大きく育つと甲長40cm前後になります。最終的には120cm以上の水槽が理想です。幼体のうちは60cm程度でも飼えますが、成長は早いので、はじめから余裕を持って準備しておくと安心です。
水深は重要なポイント。マタマタは泳ぎが苦手なので、首を伸ばせば水面に鼻先が届く深さに保ちます。深すぎると溺れるリスクがあるため、成長に合わせて少しずつ調整しましょう。
水温と水質
水温は26〜28℃をキープします。ヒーターとサーモスタットは必須です。急な水温変化は体調を崩す原因になるため、安定した管理を心がけましょう。
マタマタは弱酸性のやわらかい水を好みます。神経質になりすぎる必要はありませんが、こまめな水換えで水質を清潔に保つことが健康維持の基本です。マタマタは水を汚しやすいので、ろ過装置もしっかりしたものを選びましょう。
レイアウトのコツ
底床は薄く敷く程度か、ベアタンク(底床なし)でも構いません。流木や枯れ葉を入れてやると、マタマタが落ち着くだけでなく、擬態した姿を観察する楽しみも増えます。強い水流は苦手なので、フィルターの排水は弱めに調整してあげましょう。
照明は強すぎないものを。マタマタは薄暗い環境を好むため、明るすぎるとストレスになります。隠れ家になる流木の影をつくってあげると、より自然な姿で過ごしてくれます。
餌は生きた魚が基本
マタマタは肉食性で、自然界では小魚を一瞬で吸い込むように捕食します。飼育下でも生きた魚(メダカや金魚など)を与えるのが一般的です。
慣れれば沈下性の餌や解凍した魚を食べる個体もいますが、最初は生き餌からスタートするのが無難です。餌の頻度は幼体で2〜3日に1回、成体で週1〜2回が目安。食べ残しは水を汚すので、適量を見極めましょう。
餌付けがうまくいかないときは
マタマタは環境が変わると一時的に餌を食べなくなることがあります。お迎え直後の数日は食べなくても、あわてず見守りましょう。
それでも食べないときは、水温が適温か、水が汚れていないか、明るすぎないかを見直します。落ち着ける環境が整えば、自然と食べ始めることがほとんどです。生き餌を入れて静かにしておくと、夜間にこっそり捕食していることもあります。長期間まったく食べない場合は、爬虫類に詳しい動物病院に相談しましょう。
よくある失敗と注意点
水深を深くしすぎる
「水棲だから」と深い水で飼うのは危険です。マタマタが息継ぎしやすい浅めの水深を必ず守りましょう。
ハンドリングしようとする
マタマタは触られることを好みません。ストレスの原因になるため、メンテナンス以外でむやみに持ち上げないようにしましょう。眺めて楽しむカメだと割り切るのが、お互いにとって幸せです。
混泳させる
マタマタは口に入るサイズの生きものを餌だと認識します。同居させた魚や小型のカメは食べられてしまう恐れがあるため、単独飼育が基本です。
飼育の心構え
マタマタは動きが少なく、派手なリアクションをするカメではありません。それでも、水底でじっと佇むあの姿に不思議と心を奪われる——そんな唯一無二の魅力にハマる人が後を絶ちません。長寿な種なので、じっくり長く付き合う覚悟で迎えましょう。