WWF報告書が示す「ペット由来外来種」問題
WWFジャパンの報告書が投げかける問い
2026年2月20日、WWFジャパンがひとつの報告書を公表しました。その内容は、日本の外来種問題においてペット由来の種がどれほど大きな割合を占めているかを示すものでした。
爬虫類を愛する私たちにとって、目をそらしたくなるデータかもしれません。でも、だからこそ知っておきたい。この記事では、報告書のポイントをわかりやすくまとめ、私たち飼育者にできることを考えます。
報告書の概要
WWFジャパンの報告書によると、日本の外来種リストに掲載されている爬虫類のうち、実に76%がペット由来であることが明らかになりました。これは哺乳類や鳥類と比較しても突出して高い数字です。
つまり、野外で見つかる外来の爬虫類のほとんどが、もともとは誰かのペットだった、あるいはペット用に輸入された個体に由来しているということです。
なぜ爬虫類のペット由来率が高いのか
この数字の背景には、いくつかの要因があります。
- 飼育放棄:想像以上に大きくなった、世話が大変になった、引っ越し先で飼えなくなったなどの理由で、野外に放してしまうケースがあります
- 逸走(脱走):爬虫類は脱走の名人です。ケージの蓋の閉め忘れ、メンテナンス中の隙など、ちょっとした油断で逃げ出してしまうことがあります
- 輸入量の多さ:日本は世界有数の爬虫類輸入国です。流通量が多い分、野外への流出リスクも高くなります
- 気候への適応力:一部の爬虫類は日本の気候に適応できる場合があり、野外で定着してしまうことがあります
アカミミガメ・アメリカザリガニのその後
2023年6月に条件付特定外来生物に指定されたアカミミガメ(ミドリガメ)とアメリカザリガニ。指定から約3年が経過し、その影響はどうなっているのでしょうか。
指定後、野外への放出は法律で禁止されましたが、飼育の継続は届出なしで認められています。しかし、依然として公園の池などでアカミミガメの姿を見かけることは多く、すでに野外に定着した個体群の除去は容易ではありません。
一方で、ペットショップでの販売は禁止されたため、新たな流通は止まっています。長い目で見れば、野外個体数は徐々に減少していくことが期待されています。
責任ある飼育者になるために
報告書の数字は衝撃的ですが、私たち飼育者にできることはたくさんあります。
終生飼育の覚悟を持つ
爬虫類は種類によっては10年、20年、あるいはそれ以上生きます。飼い始める前に、その種の寿命を確認し、最後まで責任を持てるか考えましょう。
脱走対策を徹底する
ケージのロック、メンテナンス時の仮容器の準備、窓やドアの確認。基本的なことですが、これを徹底するだけで逸走リスクは大幅に下がります。
飼えなくなったときの選択肢を知る
やむを得ず飼育が困難になった場合、絶対に野外に放してはいけません。爬虫類の里親募集サイト、引き取りに対応しているショップ、動物園への相談など、適切な選択肢を事前に知っておくことが大切です。
法規制を正しく理解する
特定外来生物法やCITES(ワシントン条約)など、爬虫類の飼育に関わる法律は複数あります。自分が飼っている種、あるいはこれから飼おうとしている種がどのような規制の対象になるか、確認しておきましょう。
まとめ
WWFの報告書は、爬虫類飼育という趣味が外来種問題と無関係ではないことを改めて示しています。でも、これは飼育そのものを否定する話ではありません。
正しい知識を持ち、責任ある飼育を実践すること。それが、私たちが爬虫類と長く付き合っていくための一番の近道だと思います。
れぷサーチでは、法律や規制に関する情報も継続的に発信していきます。気になることがあれば、いつでもチェックしに来てくださいね。